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この記事は、ひたすらに「サイゼリヤ」への感動を伝える記事です。
別にお金はもらってません。
むしろ、突然人がたくさん来てもサイゼリヤさんが困ると思います。
ただ、この記事を読んでサイゼリヤを好きになって欲しいなと願っています。
先日ある機会を得て、サイゼリヤの役員の方とサイゼリヤを食べる機会がありました。
役員の方から、各料理のこだわりを直接お話しいただきながら食べるというとても贅沢な会でした。
そこで聞いた話が、強烈に学びがある内容だったんです。
今日はそこで聞いたことお話しさせていただきます。
INDEX
まず安さありき。コストは後。
サイゼリヤと言ったら「安さ」だと思います。
その「安さ」を、どのように実現していると思いますか?
「食材を冷凍しているから、在庫が腐らない」とか「質が悪いから、原価が安いんじゃ?」と思う方もいると思います。
違うんです。
もう全然違うんです。
サイゼリヤはまず、コストを考えずに「価格」を先に決めるんです。
それが赤字になるかどうかでは無く「みんなが頼みたくなる価格にする」というポリシーなんですね。
なので過去には完全に赤字なのにお店に出していたメニューも数多くありました。
美味しいものは安い。安いから美味しい。
そしてサイゼリヤさんのポリシーは「美味しいものしか出さない」。
なので、価格を先に決めたからといって、質を悪くしてコストを削減することは絶対にしません。
ではどうやってコストを下げているのか?
それは、良い素材をそのまま出すことで下げているのです。
良い素材はそのままでもうまい。
だから、調理をする必要がない。
なので、調理をするコストを削減できるため、安くできる。
このアイデア、聞いてみると当たり前なのですが、なかなか思いつかない、まさに「コロンブスの卵」的発想ですよね。
では、実際どれくらい良いものを仕入れているのか?
例えば、モッツァレラチーズは、イタリアで作られた水牛のモッツァレラチーズを、最も神泉に運べる「空輸」で持ってきているんです。
他にもトリュフアイスは、ゴディバと同じカカオを使っています。
エスカルゴに使われているバターは、これもイタリアの高級無塩バターを使用しています。
そう、本当に良い食材を使っているんですね。
もう1つ、サイゼリヤが美味しい理由がありました。
それは「安いから」美味しいのです。
一体どういうことでしょうか?
良い素材を使っているから、新鮮な状態で食べてほしい。
値段を安くすれば、たくさん注文が入り、素材の回転が早くなる。
すると、新鮮で美味しい状態の素材が提供できる、というわけです。
つまり「安い」からこそ、美味しいものを提供できるということなんです。
「日本の食を豊かにしたい」 創業者の思い
なぜここまで美味しいものを安く提供するのか。
それは、より多くの人の食事を豊かにしたいという創業者の思いがあるからでした。
もともと創業者の方は学生時代にレストランを経営していたのですが、うまくいかなかったそうです。
そこで修行のためにヨーロッパを回り、そこでイタリア料理と出会います。
前菜、肉料理、魚料理…次々出てくる多彩なメニュー。
そして料理ごとにワインを変える。
「こんな豊かな食事があったなんて!」と衝撃を受けたそうです。
これを是非日本に持ち帰り、豊かな食事を広めたい…ということで、日本にこのイタリア料理を持ち帰りました。
しかし、持ち帰ってみても全然お客さんが来ない。
5割引にしても来ない。
そして7割引にしてやっとお客さんが来るようになりました。
これが、サイゼリヤの原型だそうです。
安くしたことによる成功体験と、「たくさんの人の食事を豊かにしたい!」とイタリアで抱いた創業者の思いが、この異常なまでのこだわりを生み出している、というわけです。
社員さんから感じる「サイゼ愛」
サイゼリヤ会を通じで何より素敵だったのは、どの社員からも「コスト」という言葉は出ず、「美味しいものを食べてほしい」と何度も言っていたことです。
創業者の思いがここまで行き届いていることに、感動しました。
またお話ししていて驚いたのは、サイゼリヤの社員の方が食に対して本当に詳しい。
食材の食べごろ、食べごろは部位によって違うこと、加工してどれくらいで香りが飛んでしまうのか、ワインと食材のマリアージュ…。
この幅広い知識を持った上で、サイゼリヤのメニューは出来上がっているのです。
これも全て美味しさ・食の豊かさのため。
サイゼリヤの方は本気でサイゼリヤの料理が好きで、仕事終わりにみんなでサイゼリヤに飲みに行くんです。
もし他のお店に飲みに行き始めたとしても、「この値段でこのクオリティだったら、サイゼリヤが良いね」となり、またサイゼリヤに戻って来るほど。
料理のこだわりを話していると「本当にうちの会社、馬鹿なんだよ!こんな良いものこんな安く出して!」と、本当に楽しそうに話すんですね。
創業者のストーリーを語っている時も、役員の方から笑みがこぼれていました。
サイゼリヤに「サイゼ愛」が場に溢れ返っていました。
「まだ完成品は1つもないからね」
ピザが出てきた時に役員の方が「このピザも、もっと良くして行きたいんだよ!」と話されてました。
僕が「まだまだ商品改良していくんですねー!」と返したら、役員の方は少しキョトンとして
「え、だって、ここには完成品は何もないからね。」
と一言。
この言葉はシビれました。
そこから、各料理の「もっと良くしたいところ」の熱い話が続きました。
みんな大好きミラノ風ドリアも、過去1,000回以上アップデートを繰り返しているんだそうです。
1,000店舗以上展開しているチェーン店が、そこまでのトライ&エラーを繰り返している。
役員の方が商品について「こだわり」も「改善ポイント」も正確に把握していて、それを語れている。
全部で4時間サイゼリヤにいたのですが、ただひたすらに感動しきりで、あっという間に時間が過ぎていきました。
感性を開こう。前提を疑おう。
今の世の中は情報が大量に流通しているため、なるべく情報を遮断しようとします。
なので最初に何かを知った時に感じたり思ったこと以上のことをなかなか知ろうとしません。
これを読まれてる方はサイゼリヤに対して「学生以来、サイゼリヤ行ってないなー」とか「ミラノ風ドリアとドリンクバーでしょ?」くらいにしか思ってないのではないでしょうか。
僕も今回の会までサイゼリヤは「安かろう、悪かろう」なお店だと思っていました。
なぜなら、あまりにも安いから。
安いという情報から、勝手に「悪かろう」と思ってしまっていたんです。
でも役員の方のこだわりを聞いた上でサイゼリヤのメニューを食べると、どれも驚くほど美味しい。
情報が溢れかえっている世の中だからこそ、感性を開いて、前提を疑っていかなければ。
そう気付かされた夜でした。
おまけ1
この日教えて頂いたサイゼリヤの社員の方おすすめの食べ方は、別記事に書いたのでコチラをご参照ください。
おまけ2
このブログはよく本を紹介しているのですが、僕は昔、サイゼリヤの会長が書かれたこの本を読んだことがありまして。
これを読むと、いっそうサイゼリヤの熱い思いが理解できます。
僕も改めて読み返すつもりです。
サイゼリヤ おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ (日経ビジネス人文庫)
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