プレーイング・マネジャーにはなるな 〜「そうか、君は課長になったのか」書評〜

10月から会社でチームのリーダーになった坂口淳一です。

私はスタートアップの会社で働いています。

まだ規模がそこまで大きくないため、リーダーのような役職がつきやすい状況にいます。

とはいえ、リーダーになったからにはマネジメントをしなければいけません。

しかし、マネジメントに対して自信があるわけではなかったので、同僚がマネジメントの勉強に、とおすすめしていた「そうか、君は課長になったのか」を読みました。

作者の佐々木常夫さんは「妻が病に倒れる」「息子が自閉症になる」という幾多の困難を乗り越えて、東レ経営研究所社長にまで登りつめた方です。

この本は、初めて課長職(リーダー職)になった方に向けた、いわゆる「チームマネジメント指南書」。

海外の「イケてるマネジメント」について書かれた本は幾多ありますよね。

でもこの本は「日本企業でマネジメントをすること」、例えば社内政治での勝ち方についても書かれていて、とても実践的です。

いくつか気になった文章をご紹介します。

プレーイング・マネージャーになるな

会社で働いていて、人が潤沢にいるなんてことはほとんど無いのではないでしょうか。

そうするとたいていリーダー職やマネージャー職の方はプレーイング・マネージャーになりがちです。

しかし、プレーイング・マネージャーには絶対になってはいけないとこの本では警鐘を鳴らします。

もし、今までの担当としての仕事の延長線上と考えているとすれば、それは大きな間違いです。

課長の場合、部下の数と質において、その何度は役員や部長の比ではありません。

部長や本部長といった上役の方に比べて、課長の場合は部下の層が幅広くなります。

そのためマネジメントの際の複雑さも増し、一様のコミュニケーションでは対処できないとこの本では説きます。

もしプレーイング・マネージャーになってしまっていたら、他の人に仕事を振るようにして、自分の仕事を部下の成長のために活用するように動くと良いのかもしれません。

君は、部下の人生にコミットする

マネージャーと言うと、ついつい仕事に関連する部分しか見なくなってしまいがちです。

しかしこの本では「部下の人生にコミットするべきだ」と説いています。

通常、部下は君よりも若い。つまり、発展途上にある人間です。若いということは、これからいろいろ変わるということ。そんな重要な時期に、君は課長として彼らと朝から晩まで一緒に働くのです。彼らは、君という人間を見て育ちます。そして、君の指導を受けます。つまり、君は部下の成長にコミットする力をもっている、ひとりの人間の人生を変える力をもっているということなのです。

仕事は1日の1/3を占めるものです。

つまり人生の1/3を占めている部分に関わるのが「マネジメント」ということになります。

なので自ずと仕事は人生に深く関わってきますし、仕事の部分が改善されることで部下の人生は豊かになるはずです。

しかし、部下の意欲を引き出すことは難しい。

そんな時に何をすべきか?それも本の中に書いてあります。

そこで課長は、たとえどんな平凡な仕事であっても、その仕事が「何のためにあるのか」ということを明確に示してあげることが重要です。

ついつい部下と仕事だけの話をしてしまい、仕事のそもそもの目的を共有することをやっていないことって多いなと思うんでです。

私も最近、ここに気をつけて、プロジェクトのキックオフのときには、何のためにこの仕事をするのかについて話すようにしています。

上司を味方につける

この本の特長は冒頭でも述べたように「社内政治に勝つ」ということについて明確に書かれていることです。

海外のいわゆる「イケてるマネジメント本」は、本質論や理想論が多いのでなかなか社内政治のことについて書かれないですが、この本では全5章あるうちのまるまる1章分を、社内政治について書かれています。

私はスタートアップで働いているので、そこまで「社内政治」を意識することも無いのですが、組織の成長に伴ってどうしてもこういった要素は出てくると思いますし、社内政治に長けていたほうが物事は進めやすくなるはずです。

この章の中でも特に「上司を味方につける」というページが個人的に刺さりました。

「定期的に報告し相談する」というのがミソです。一定のスパンで、上司と意見交換をしたり、相談をしたりすることが、上司の信頼を得ることにつながるのです。

私はついつい個人プレーになりがちで、上司に相談をせずに自分で決めてしまうことが多々ありました。

上司を信頼していなかったわけではないのですが、上司の頼り時がわからなかったんですね。

しかし、一度他の部署に迷惑をかけることをしてしまい、その時に上司に「困ったらすぐに相談してね」と言われ、グサッと来たことを思い出しました。

その時、私は明らかに仕事がパツパツになっていたにも関わらず、上司に相談ができていなかったのです。

しかしその上司の一言で結果を達成するためには、あらゆるリソースを使うべきで、その中の1つとして「上司」は頼るべきだし、頼ることで信頼関係が生まれる。

そのことに気づけていなかったと気づき、深く反省しました。

他にもかなり多くの切り口で、リーダーという仕事が書かれています。

他の切り口が気になった方は、ぜひ本を読んでみてくださいね。

そうか、君は課長になったのか

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