「誰がバカかわかる」意思決定構造を |「Hot Pepperミラクル・ストーリー」を読んで

グルメサービスで働いている坂口です。

グルメサービスで有名なサイトの1つにクーポンでおなじみの「Hot Pepper」ってありますよね?

誰しも1度は使ったことがある馴染み深いサービスだとは思うのですが、売上収益が374億円(2017年3月期)というWebサービスの中でも指折りの巨大事業でもあります。

そのHotpepperがなぜここまで成長できたのか……?

その秘密が書かれた本があります。

「こ、これは同業として読まなければ…!」ということで、読んでみました。

読んでみると、8年前に出版された本であるにも関わらず、特に組織づくり・事業づくりの参考になることが詰まっていました。

その中の一部をご紹介します。

ビジョンを可視化する

Hot Pepperは拡販するにあたり、「自分の生まれ育った街のために働く」という理念を掲げていたそうです。

『ホットペッパー』に働く人たちは「自分の生まれ育った街のために働く」ことを誇りに持ち、「若者が集まる楽しい街づくり」で故郷に貢献している。

また、このビジョンを可視化する試みもされていました。

メンバー本人には内緒でお客様のところへ版元長(坂口注:課長と同様)自らがビデオをもって伺い、お客様からそのメンバーへのお礼と期待のメッセージをいただいておく。(中略)心のこもったお客様からの「ありがとう」を聞いてメンバーは涙を流して心震わせる。ビジョンが形になる瞬間だ。

ビデオとして可視化されたビジョンが、人の心を強く動かし、多くの成果を次々と出していったそうです。

実は僕のいる会社でも、クライアントさんからメッセージをもらったり、ユーザーさんからメッセージをもらったことがあるのですが、実際に見てると本当に強く感動します。

そして「あぁ、また頑張ろう」と思えるのです。

こういったビジョンを言葉として掲げることも重要ですが、同様に目に見える形で可視化することは、組織を1つにする時にとても有効な方法なのだと気付かされました。

「誰がバカかわかる」組織

「組織がダメ」だとか「経営陣が現場を分かっていない」という話が、大きな組織だとよく出てきます。

昔、1,000人以上の大きな組織にいたのですが、そういった話はあるあるでした笑

でもそこで「〇〇さんが☓☓しないからダメ」というところまで落とし込めている人はどれくらいいるでしょうか。

「いや、そんなの調べてる暇ないわ!」というツッコミが聞こえて来そうですが、確かに一般的な組織であればそうなってしまうと思います。

しかしHot Pepperでは、原文ママで言えば「誰がバカかわかる」意思決定構造にすることで、その原因となっている人が明確になる工夫をしていました。

意思決定を分散してはならない。事業部長や版元長が専門のスタッフの意見を聞いて、その首をかけて判断する組織にしなければならない。どんなに大きな組織になってもこの「誰がバカかわかる」意思決定構造を決して崩してはならない。

表現が過激ですが、そのようにマーケット・商品・組織をひとつにすることで、チームとしての責任と一体感が生まれるそうです。

こういったプレッシャーをかけることが正しいのか、という議論はもちろんあるとは思うのですが、このプレッシャーを耐え抜き、はねのけることができる人材がいたからこそ、Hot Pepper…ひいてはリクルートという企業の営業力ができあがっているのかもしれません。

「決まりました」だけではなく、背景を語る

マネージャーレベルの会議で、決定がされた経緯を部下やチームメンバーがキャッチアップできないことって、大きな組織だとよくあります。

そしてマネージャーも「とりあえず決まったから」と背景を語らないということもしばしば。

そこを防ぐような会議の仕組みや議事録の取り方をHot Pepperでは徹底していたそうです。

2週間に1度開かれる全国版元長会議の内容は会議終了時にはその決定プロセスも含めてレジュメにまとめられて、翌日には800名のメンバー全員にメールで配信される。

「こう決まった」ではなく、「こんな意見が出て、自分はこのように考えて、全体の意思決定は賛否を経てこのように決まった」と説明する。

こういう会議でのスレ違いが、後々大きな組織のズレに発展するのもあるあるですね。

この徹底した背景共有は見習いたいところです。

ノウハウ共有の徹底

Hot Pepperではノウハウの共有もかなり強烈にされていました。

営業の成功ノウハウが、そのノウハウを見つけたメンバーの名前を冠して共有される文化があったようです。

菅波葉子の「新規飛び込み福の神営業」

岡田奈奈恵の「3年契約受注営業」

吉田采都子の「何屋プチコン営業」

これらはホットペッパー事業の伝説のナレッジとなった。

もちろん、Hot Pepperが営業手法をフォーマット化(リクルート用語で言う「型化」)しやすくする工夫をした上でですが、このようなナレッジ共有はやるべきだと改めて感じました。

勝てる領域で勝つ

Hot Pepperの営業マンは飲食店経営のプロではありません。

しかし、飲食店を選ぶユーザー目線のプロ、Hot Pepperのプロにはなれます。

なのでHot Pepperの営業マンは「プチコン(プチコンサルティングの略)」と称して、そういったHot Pepperの掲載内容の最適化や、利用者目線でのアドバイスをしていたそうです。

あえてプチコンと限定して、表現領域に絞り込むことでわれわれはプロフェッショナルになれる。お客さまに対して得意な領域で価値を提供できる。

要するに、自分の勝てる領域でアドバイスをするということですね。

これは生き方や働き方など様々なところでも活かせる考え方だなと思いました。

この本は特に組織づくりにおいて参考になる要素がたくさんありました。

マネジメントだったり組織体制づくりに悩んでいる方であれば、ぜひ読んでみることをおすすめします!

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