私たちは経済システムの作り手になっていく〜「お金2.0」を読んで〜

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週2冊本を読んでいる坂口です。

最近「箕輪本」にハマりにハマっています。

「箕輪本」とはパンティ箕輪さんこと箕輪さんが作った本のことです。

とりあえず「多動力」「モチベーション革命」「人生の勝算」は今まで読みました。

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そしてそんな箕輪本の最新作「お金2.0」を読んだので、自分なりに学びを整理してみました。

これからは経済システムを「読み解く」のではなく「作る」

手軽にネットでサービスを作って世界中の人に使ってもらえるような時代になった今、経済は「読み解く対象」から「創り上げていく対象」に変化しつつあります

今までは「経済システム」(生産活動をうまく回す仕組み)の中でどう生きていくか、ということが今までは追求されてきました。

しかし、今ではビットコインのように通貨までも誰でも作れてしまう世の中になっています。

キングコングの西野さんも「セカンドクリエイター」という言葉で、クリエイターがどんどん増えていくと書いてありましたが、様々なハードルが下がっていってるわけです。

そうすると、どんどん経済システムが作るほうに向かっていくとこの本では書かれています。

例えば「サロン」も最近は盛り上がっていますが、これも個人ないし少人数の団体に紐付いた独自の「経済システム」と言えます。

すでにこういった動きは始まっていて、これが盛り上がっていくというわけですね。

そういう意味でもこれからは「良い経済システムとは何か?」を知っていなければいけません。

良い経済システムの5つの共通点+2つの重要ポイント

本の中には、この良い経済システムの5つの条件が載っています。

これは本当に必見だし、会社組織から事業づくりまですべてのことに適用できる普遍的な条件だなと思うので、引用して掲載します。

この持続的かつ自動的に発展していくような「経済システム」にはどんな要素があるかを調べていった結果、5つほど共通点があることに気がつきました。  ①インセンティブ、②リアルタイム、③不確実性、④ヒエラルキー、⑤コミュニケーション、の5つです

少し補足をすると下記の5つですね。

① 報酬が明確であること(インセンティブ)

② 時間によって変化すること(リアルタイム)

③ 運と実力の両方の要素があること(不確実性)

④ 秩序の可視化(ヒエラエルキー)

⑤ 参加者が交流する場がある(コミュニケーション)

この5つの要素は、事業を作る上でも組織を作る上でも絶対に外せないので、マストで覚えておいて、チェックリスト的に使うと良いでしょう。

事例として「SNS」が引き合いに出されていますが、具体的にTwitterなどで考えてみると、いずれも当てはまることがわかりますよね。

また、この5つとは別に2つ重要な点があります。

追加①経済システムの「寿命」を考慮しておく

追加②「共同幻想」が寿命を長くする

つまり「経済システム」には必ず終わりがあり、またその終わりを伸ばすためには「共同幻想」が必要だと説きます。

この「寿命」や「共同幻想」は「事業」にあてはめて考えると非常に分かりやすいです。

1つの産業はだいたい30年ほどで終わるとも言われますが、それも「寿命」があるからで、またそれが長続きするためには「ビジョン」が必要ということですね。

「ビジョン」によって組織は1つにまとまり、長続きするようになるということですね。

ちなみになぜこの法則が当てはまるのかについて脳の仕組みの観点からこの後解説されていきます。

脳みそが上記の7つの要素について快感を覚えたり、飽きたりすることによる作用である、と言うわけですね。

脳の観点から経済システムが説明できるというのは、一種のアハ体験がありました。

みんなを幸せにすることが価値になっていく

既存のビジネスモデルと異なる「トークンエコノミー」が今後は当たり前になってくるとこの本では語られます。

このあたりは難しい部分なので、引用を多めにして説明していきます。

トークンとは、仮想通貨の根っこで使われているブロックチェーン上で流通する文字列のことを指す場合が多く、一般的には仮想通貨やブロックチェーン上で機能する独自の経済圏をこう呼ぶ

トークンエコノミーと、既存のビジネスモデルの大きな違いは、経済圏がネットワーク内で完結している点です

通貨であるトークンにどのような性質があり、どんなルールで流通するかも企業や個人や組織が自分たちで考えて自由に設計することができます

トークンエコノミーでは、トークンを発行する企業や個人がこの通貨発行益を享受できますが、一方で発行者はトークンをもって経済圏の参加者の利益を最大化する義務が発生します

ちょっとの問題があるだけでも蜘蛛の子を散らすように参加者は逃げていき消滅してしまう不安定さがあります。トークンの発行者は通貨発行益を得る代わりに優れた経済圏を作りそれを維持し続けなければいけません

つまり、下記のように言えると思います。

・これからは独自の経済圏(トークンエコノミー)を作ることができる

・しかしその経済圏の参加者が居続けないと経済圏を維持することが難しい

・そのため、経済圏の参加者が幸せになる経済システムを作らないといけない

非常に難しいことではあると思うのですが、今まで企業や国しかできなかったことができるという観点ではハードルが下がってきています。

その中でトライ&エラーを繰り返して、上記の理想的な経済システムを作る必要が出てきているというわけです。

お金ではない価値が大事になってくる

本の中では、お金の価値が下がり、本来の意味での「価値」が重要になってくると書かれています。

先程のトークンエコノミーのように独自の経済圏で成り立つ経済システムが存在しうる以上、お金ではない「トークン」によって価値を保存・交換・測定できるようになるわけです。

今起きていることは、お金が価値を媒介する唯一の手段であったという「独占」が終わりつつあるということです。価値を保存・交換・測定する手段は私たちがいつも使っているお金である必要はなくなっています。

そう、テレビ以外のメディアとしてのインターネットが出てきたことでテレビの価値が下がったように、お金以外の「価値を保存・交換・測定する手段」が出てきたので、お金の価値が下がるというわけです。

手段の多様化により人々が注力するポイントが「お金」という手段から、その根源である「価値」に変わることは予想できます。価値を最大化しておけば、色々な方法で好きなタイミングで他の価値と交換できるようになっていきます

お金で測れない「価値」を高めていくようにしていくことで、これからは有利になっていくというわけです。

では「価値」とは何なのでしょうか?

実際は、世の中で使われている価値という言葉は3つに分類されます。それは①有用性としての価値、②内面的な価値、③社会的な価値、の3つです

これも付け加えると

① 「役に立つか?」という観点から考えた価値(有用性としての価値)

② 個人の内面にとってポジティブな効果を及ぼすもの(内面的な価値)

③  社会全体の持続性を高めるようなもの(社会的な価値)

ということです。

今までの資本主義は①のみを対象にしていましたが、今後トークンによって②や③の価値についても可視化されていくわけです。

そのため、今まで以上に②や③の重要度が高まるんですね。

「好きなことで生きていく」が生存戦略になる

ではそういった「価値主義」になった時に、どうすればよいのでしょうか?

著者の佐藤さんは下記のように述べます。

答えは非常にシンプルで「好きなことに熱中している人ほどうまく行きやすい」世の中に変わっていきます

これは内面的な価値が「価値」になっている時に、お金目的で努力している人よりも、本当に好きで熱中してやっている人のほうが応援したくなるという人間の心理的な面によるものです。

つまり応援したくなる=内面的な価値を提供している=価値が高い という図式です。

そしてSNSによって、そういった熱中や共感が伝播しやすい土壌ができあがっています。

その上、そこにお金を払う仕組みまで整いつつあります。

「人生の勝算」の前田さんが社長をされているSHOWROOMもまさにそのような仕組みです。

なので「好きなことに熱中すること」が生存戦略になるわけです。

なんて素敵な世の中なのでしょうか。

この未来はワクワクしかしませんね。

いかがでしたでしょうか。

これからの未来のためにも、経済システムを作れるスキルと、好きなことを見つけて熱中する準備をすることが重要です。

私個人としても、来るべき世の中に向けて、準備していかねば!と強く感じました。

ぜひ皆さんも読んでみてください。

ビジネスマンでもアーティストの方でも、誰でも参考になる本ですよ!

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